A(=改善行動)の本質
さて、最後にA=振り返りを踏まえた改善行動についてです。上記で言った通り、振り返りとは「行動の中身」と「結果」の振り返りがありますが、行動の中身としては、
①計画通り実行したか否か
②実行により効果が上がったかどうか の2つがあります。
実行はしたが効果が上がらなかった場合には、実行の質が低かったということですから、スキルアップとかやり方を工夫するとか、追加で補完補強的な手を打つとか、そういったことが対策となりえます。
ところが、①のように、そもそも計画通り実行しなかったのであれば、やり方を変えたり、追加策を考えたりすることは、ほぼ無意味です。なぜなら、結局はそれも「やらない」可能性が高いからです。
私の子供が小学生の時、「自分の部屋があったらちゃんと勉強する」と言われ、新しく家を建てた際には子供部屋を用意してやりました。ところが、自分の部屋ができたとたん、
うちの子はもっと勉強しなくなりました。考えてみれば当たり前です。自分の部屋=親の目が届かない、からです。
要するに、計画通り実行しない人間に欠けているのは、やり方とかスキルとかそういう“条件”ではなく、本人の意識やモチベーション(=動機)に問題があるわけです。したがって必要なのは“対策”ではなく“意識改革”または“動機づけ”なのですが、多くの組織では販売実績が上がらないとすぐに「奨励だ」「ツールだ」「プロモーションだ」と、対策に躍起になってしまっています。なぜか?意識改革は目に見えづらい反面、成果が低迷すると目に見える対策を上から求められてしまうからです。
これがPDCAを回すのが困難な要因の4つ目です。
このように、PDCAを回すためには、P・D・C・Aのそれぞれに潜む「きわめて人間的な問題」を乗り越えなければなりません。

では、PDCAは回せないのか?そんなことはありません。留意点をしっかり意識できれば、人間の弱さゆえの諸問題を徐々に克服し、回せるようになっていきます。
そこで次回は、PDCAを回す上での留意点をお伝えします。
>>「PDCAの本質を踏まえた留意点②」に続きます。

