これまでの教育は多分に政治や社会情勢などの影響を受け、翻弄されてきたように思います。戦前と戦後における教育の在り方の様変わり、欧米と日本における教育の違いなどからもわかるとおりです。企業における教育・研修なども、景気がいいときはさほど効果も検証されないまま実施され、ひとたび景気が悪化すれば、継続の是非もあいまいなまま打ち切られもします。はたして教育とは、このようにフワフワした、まるでファッションのように新しいトレンドが打ち出され、出回るようなものなのでしょうか?反面、東洋の古典思想のように、数百年~千年以上にわたり、古今の教育の礎となっているものもあります。
この違いは何なのでしょうか。どうもゴール設定(目的ともいえます)が影響しているように思われます。戦前と戦後の教育がなぜ大きく変わったか。人に求めるものが変わったからに外なりません。欧米と日本の教育の違いも目指す人物像の違いにあります。
以前は大学というと経済学部が大いに人気がありましたが、最近は俄然理系に人気が集まっています。これは社会のIT化を背景に企業の求める人材が変わってきたことによる、就職の有利・不利が多分に影響しているでしょう。このように目先の社会的・経済的な要求に振り回されていては、足腰のしっかりした、つまり永続的に人を成長させる教育にはなり難いのではないかというのが、当社の考えです。
すぐに答えは見つからなくとも、すべての人間が到達すべき“望ましい世界”は必ずあるはずであり、そこへ適切に導く、より普遍的な教育もあるはずではないでしょうか。経営理念に掲げた「潤いと輝きのある“世の中”」は、当社が設定した私たちの目指したいゴールです。的は大きいですが、それだけに方向性には大きな誤りがないという自信があります。そこへ向かってブレない教育のあり方を研究し続け、実践し、普及に尽力する。それがアルテヴィジョンの使命です。